【令和8年4月24日施行】モバイルバッテリーの機内持込みルールが変わる——自家用運航者が知っておくべきこと


令和8年4月24日、モバイルバッテリーの機内持込みに関するルールが改正されます。

今回の改正は、令和7年1月に発生したエアプサン機のバッテリー発火事案を受け、ICAOが緊急で国際基準を見直したことに端を発しています。令和8年3月27日にICAO理事会で承認・即日発効となり、日本国内でもこれに準拠する形で告示・通達が改正されます。


まず「自分はどちらに該当するか」を確認する

今回の改正で重要なのは、「搭乗者として持ち込む場合」と「運航のために持ち込む場合」でルールが異なるという点です。

自家用運航者の場合、

  • 同乗者が携行するバッテリー → 告示別表18(搭乗者ルール)
  • 自分が運航目的で使用するバッテリー(FDM用、GoPro等) → 通達の条件(運航者ルール)

この2つに分けて整理します。


① 搭乗者が携行するモバイルバッテリー(告示別表18)

同乗者が個人として持ち込むモバイルバッテリーには、今回から以下のルールが追加されます。

ルール内容新旧
預入手荷物禁止必ず機内持込み従来から
個数制限2個まで(160Wh以下)新規
ショート防止個々に保護(ケース等)従来から
機内充電禁止モバイルバッテリーへの充電禁止新規
他機器への充電しないよう要請(禁止ではない)新規(要請)
収納棚禁止手元に置くよう要請従来から

ポイントは2個までという個数制限と、機内での充電禁止が新たに法的根拠をもって規定された点です。


② 運航のために機内で使用するバッテリー(通達の条件)

GoProなどのカメラ、FDM(フライトデータモニタリング)用の機器、訓練記録用のバッテリーなど、運航のために自分が機内で使用するリチウム電池内蔵機器については、以下の4条件を満たせば使用できます。

(a) ショートしないよう個々に保護 予備電池やモバイルバッテリーは、使用しないときにケース等でショートを防止すること。

(b) 不測の作動を防止 電子機器が意図せず動作しないよう措置すること。

(c) 国連試験基準(UN38.3)を満たした製品であること 市販されている製品であれば基本的に満たしていると考えてよいです。メーカーへの問い合わせや、ホームページでの確認も可能。

(d) 容量の制限

  • リチウムイオン電池:100Wh以下
  • リチウム金属電池:リチウム含有量 2g以下

注意点:マニュアル等への記載が必要

これらの条件は、各社の運航規程またはその他のマニュアルに規定されていることが前提です。個人で条件を満たすだけでは不十分で、会社・組織として文書化する必要があります。

自社の運航規程のどの項目に記載するかは、規程を審査する地方航空局の担当者と調整してください。認可・届出の扱いは、記載箇所によって変わります。


発煙・発火への備え

今回の改正では、バッテリーの発火対応についても言及されています。

  • 発煙・発火時の対応手順を整備すること
  • 給水設備、熱暴走に耐えられる手袋等を機内に備えること

小型機・ヘリコプターでは機長のみの搭乗といった形態もあります。自社・自機の運航形態に合わせたリスク評価と緊急手順の確認が求められています。


まとめ

対象主な変更点
同乗者の持込み2個まで・機内充電禁止(4月24日から)
運航者の使用4条件を満たしマニュアルに規定すれば使用可

施行は令和8年4月24日。GoProやFDM機器を日常的に使っている方は、早めにマニュアルの整備を進めてください。


参考資料 国土交通省「モバイルバッテリーの航空機内における取扱いの変更について」(令和8年4月)
問い合わせ先:国土交通省安全部安全政策課 hqt-dg-jcab@gxb.mlit.go.jp

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