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23 件の記事
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通信混雑で「最後のフィックス」に着いてしまったら——AIM-J 614項の「待機してはならない」とAIPの「待機を開始する」は矛盾しない
AIM-J 614項は、通信混雑でその先の指示がないままSTARの開始点に着いても「指示なくホールディングを行ってはならない」とします。一方AIP ENR 1.5は「待機を開始する」と書いています。逆のことを言っているように見えるこの2つは、想定している場面が違います。2001年ごろの羽田の事案、1986年の管制承認限界点の改正、高度間隔とレーダー間隔の違いから、2026年ATSシンポジウムの研究発表を整理しました。
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航空法第96条の改正——管制指示の場所に「着陸帯・誘導路」、中身に「地上走行」を明記。エプロンは対象外に【令和7年12月1日施行】
羽田事故を受けた航空法等の改正(令和7年法律第55号)で、航空法第96条が改正され、2025年12月1日から施行されています。管制指示に従う場所に「管制圏に係る空港等の着陸帯・誘導路」が、指示の中身に「地上走行の方法」が加わりました。管制圏は「空域」なので、地上を走る航空機への指示の根拠を条文上はっきりさせた改正です。同時に、エプロンが管制指示の範囲外であることも明確になりました。2026年ATSシンポジウムの航空局資料と新旧の条文から整理します。
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AMアンテナは夜だけの脅威ではない——ヒューストンのR44鉄塔衝突と、日本の航空障害灯が「光らない」条件
2024年10月、ヒューストンで夜間遊覧のR44が高さ1,003フィートの無線塔に衝突し、4人が亡くなりました。NTSBは2026年9月の最終報告で、パイロットが灯火のある塔との間隔を保てなかったことを推定原因とし、管制官が安全警報を出さなかったことを寄与要因に挙げています。ただ、鉄塔が危ないのは夜だけではありません。日本の航空法施行規則を読むと、赤白に塗られた鉄塔の赤い灯火は夜間しか点かず、点滅しない不動光でもよいことになっています。雲底が低い昼間、AMアンテナは灯火なしで霞の中に立っています。
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民間訓練試験空域の使用調整は「ネット」でもできる——ATMセンターの空域管理ユーザー端末とは
民間訓練試験空域で訓練や試験飛行をするには、福岡のATMセンターに訓練計画を出して承認を受ける必要があります。国土交通省は、この訓練計画の提出・空域の使用状況の確認・承認結果の受け取りをインターネットでできるサービスを用意しています。実施要領(令和6年9月改正)とAIP ENR 5.3から、登録の方法と、訓練計画を出してから飛ぶまでの流れを整理しました。
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技能発揮訓練、操縦士は何に気をつければいいのか——2026年9月時点でわかっていること
羽田事故を受けて新設された「技能発揮訓練」。国交省のFAQと登録訓練機関一覧が出そろい、操縦士側で押さえるべき点がはっきりしてきました。義務がかかるのは2028年6月ごろから、対象は「管制圏のある空港等」での離着陸と練習の監督、修了証明書は紙で携帯、更新は満了日前45日以内が得。情報圏だけの空港なら対象外、航空運送事業の運航規程に従う運航は携帯義務が免除——自分がどこに当てはまるかを確かめる手順を整理しました。
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アメリカは「ホバー自動操縦を止める」と書いた——電波高度計と5G、決着の中身
電波高度計と5Gの周波数が近すぎる問題に、FAAが最終規則で答えを出しました。「干渉に強いこと」ではなく、3000〜5600MHzを17区分に割った電力束密度の表を条文に書き込んでいます。期限は2030年と2034年の2段階。ただしヘリコプターは、適合期限が2034年でも2030年末からカテゴリーA/B離着陸・捜索救難モード・ホバー自動操縦が使えなくなります。日本の周波数配置はガードバンド100MHzで上下から挟まれており、ヘリの保護は「離発着地点として認識されている場所から20〜50m」。一次資料で整理しました。
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アシムス(ASIMS)では何が見られるのか——ログインなしで開ける13のデータベース
国土交通省航空局の「航空安全情報管理・提供システム(ASIMS)」。サーキュラー本文、耐空性審査要領、耐空性改善通報(TCD)、航空機故障報告、型式証明情報まで、13のデータベースが入っています。しかもユーザ名とパスワードを空欄のままOKを押せば、ゲストとして中身を見られます。実際にログインして確かめたメニュー構成と、つまずきやすい3つのポイントを整理しました。
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「救助の対価」とは書けない——富士山のヘリ救助有料化は、どういう名目でお金を取るのか
山梨県が2026年9月14日、閉山期の富士山で防災ヘリ救助を原則有料とする制度案を公表しました。ただし名目は「救助の対価」ではありません。飛行にかかった燃料費相当額の「手数料」です。消防組織法と航空法という2つの壁を避けるための建て付けで、先行する埼玉県は飛行時間5分ごとに8,000円。この金額の根拠と、有料化が人の行動をどう変えるのか(変えないのか)を、条文と実例から整理しました。10月には静岡県も有料化の方針に転じています。
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ログブックの「野外飛行」欄には何を書くのか——回転翼の距離要件と、生地着陸の定義
航空機乗組員飛行日誌の記入要領を根拠から整理しました。野外飛行の解釈は空乗第2129号にあり、距離規定のない日常の記録は「航法技術の習得を目的とした飛行」であれば距離を問いません。一方で資格の経歴に使う場合は、自家用(回転翼)180km・事業用(回転翼)300km。距離は直線距離の合計で計算します。
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経験のない型式に乗るとき、教育訓練は要るのか——国空航第1055号と、回転翼の型式限定一覧
技能証明も限定も持っている。そのうえで乗ったことのない型式に乗る。このとき学科20時間・実技10時間の教育訓練が要るのか。回転翼の判定は「その型式の経験があるか」の一点です。前提となる「そもそも型式限定が付く機体か」の見分け方と、EC135のように同じ名前でエンジンが違う場合の考え方まで、通達の原文で整理します。
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IFRで通信機が故障したら——7600の次に、経路・高度・降下開始時刻をどう決めるか
応答がない。周波数を変えても、待っても返ってこない。IFRで通信機が故障したときの手順は、航空法施行規則206条に条文として書かれています。VMCなら降りる、IMCなら経路・高度・速度・降下開始時刻。そして国内で実際に効いてくる「7分」という数字まで、条文とAIM-Jで整理します。
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RAIMとは何か——衛星の異常が直るまで最大2時間、その空白を埋める仕組み
GPS航法の話に必ず出てくるRAIM(Receiver Autonomous Integrity Monitoring=受信機による完全性の自律的監視)。位置の「精度」ではなく「完全性」を見張る機能で、5個の衛星(または4個+気圧高度)が要ります。なぜ受信機が自分で監視しなければならないのか、FDEとの違い、警報が出たら何をするのか、そしてスプーフィングには半分しか効かないという限界まで整理します。
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LVPとLVPDとは何か——「上がれるが、戻れない」という日本独自の体制
2022年2月24日、管制方式基準からSSP体制という日本独自の用語が消え、LVPとLVPDが定義されました。LVPはカテゴリーII/III運航と低視程離陸の両方、LVPDは離陸だけ。羽田RWY16Lや新千歳RWY01Lで「灯火は揃っているのに離陸できない」という問題を解くために生まれた仕組みを、条文と改正資料から整理します。
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AC 20-138Dを読む——日本の基準が一行で参照している261ページに、ヘリ専用の章があった
サーキュラー5-005が「AC20-138(その後の改訂版を含む。)に従って装備されたもの」と一行で参照しているFAAのアドバイザリー・サーキュラー。開いてみると全23章+附録10本の261ページで、回転翼機専用のRNP 0.3、VFR専用装備の標識、「TSOAは装備を保証しない」という宣言、そして日本の「5分」と同じ数字が入っていました。
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IFRでGPSを使う基準(5-005)——RAIMが5分途切れると予測されたら、飛行を中止する
計器飛行方式でGPSを使う基準は、サーキュラー5-005として全10ページ・11章にわたって定められています(現行版は令和7年3月13日最終改正)。装置のクラス指定、SBAS補強の有無による分岐、RAIMが5分を超えて失われると予測されたときの3つの選択肢、そして「GPS以外の進入方式が実施可能であること」という条件まで。VFR側の5-006と並べながら、条文に沿って整理します。
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RNAV航行の許可はどう取るのか——5-017の附属書10本と、最終進入でFTE 0.15NMという目標
装置を積んで飛行規程に載せても、それだけではRNAV航行はできません。航空法83条の2に基づく許可の中身を定めているのがサーキュラー5-017。有効期間2年、不具合は3日以内、実施要領には何を書くか。そして種類ごとに「どのACに適合していればよいか」。そして附属書5 RNP APCHの運用手順には、座標の手動入力禁止からFTE 0.15NMまでが具体的に並んでいます。
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TSO-C146とは何か——GPSに「SBAS」を足すと、何ができるようになるのか
GTN 750などが取得しているTSO-C146。GPS単独のTSO-C129と何が違い、Class GammaとDeltaは何を分け、日本ではどこまで使えるのか。SBASの仕組み、LPV進入、そして2022年に日本で始まったLPVまで、根拠資料に沿って通しで整理します。
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VFRでGPSを使う基準——「補助的に使用し」と、貼らなければならない標識
有視界飛行方式でGPSを使う際の基準は、サーキュラー5-006として存在します。全4ページの短い通達ですが、目的の一文に「補助的に使用し」と書かれ、最後の章では「本GPS装置は有視界飛行方式での使用に限る」という標識の貼付を義務づけています。位置算定誤差0.124NM、地上24時間試験、飛行規程の限界事項まで、条文に沿って整理します。
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異常接近の基準、日米でこう違う——FAAの「500フィート」と日本の「機長が認めた」
同じ2026年8月4日、羽田とワシントンで異常接近が起きました。日本の重大インシデントは「機長が衝突のおそれがあったと認めた」という主観だけが要件で、数値基準がありません。一方FAAのNMACは「500フィート未満」という数値を持っています。ただし数値が主観を置き換えているわけではない、というのが面白いところです。
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重大インシデントの要件と「異常接近報告」の関係——羽田のニアミスは何に当たるのか
羽田でANA機と国交省の飛行検査機が異常接近しました。ではこれは重大インシデントなのか。実は判断の起点は「機長が衝突・接触のおそれがあったと認めたかどうか」という主観にあります。重大インシデント19事態の全体像と、異常接近報告が制度上どう位置づけられているかを、条文に沿って整理します。
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陸自ヘリに緑レーザー——「被害がなくても罪になる?」を実際の量刑から考える(北海道・剣淵町)
夜間飛行訓練中の陸上自衛隊UH-1Jに、市街地方向から緑色レーザーが約5秒照射された(北海道剣淵町)。乗員・機体に被害はなかった。では「被害がなければ罪にならない」のか。航空法134条の3・威力業務妨害・航空危険罪の3つを、普天間の実際の判決(罰金50万円)など具体例に当てはめて、現役ヘリパイロットが整理する。
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AIM-Jは根拠にならない、と言われるのはなぜか
航空局監修と書いてあるのに、なぜAIM-Jは根拠資料として扱われないのか。法源の構造、AIM-J自身の但し書き、記述レイヤーの混在、改訂サイクルの4点から整理し、実務での正しい使い方を示す。
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飛行中のヘリに緑のレーザー——「何の罪になる?」を整理する(三浦市・取材ヘリ照射事件)
火災取材中の報道ヘリに、地上から緑色のレーザーを照射したとして69歳の男が威力業務妨害で逮捕された。ではレーザー照射は何の罪に問われるのか。実は威力業務妨害・航空法違反・航空危険行為処罰法という3つの法律が重なりうる。パイロットにとってなぜこれほど危険なのかも含め、現役ヘリパイロットが整理する。